eBay詐欺が2020年に急増

近年Amazonにリードされていた世界的なマーケットプレイスであるeBayは、2020年第2四半期に巻き返しました。消費者行動の劇的な変化に促されて、eBayの第2四半期の流通取引総額は29%増加し、同社は見事な復活を果たしました。同四半期に、Vadeは、eBayの固有のフィッシングURL数が54%増加していることを確認し、2020年のフィッシング攻撃で最もなりすましの多かったブランド20社のリストにeBayを追加しました。 

2020年のeBayブーム 

新型コロナウィルス(COVID-19)は2020年にすべての業界を混乱させました。世界的な都市封鎖と検疫措置により、実際に店舗に足を運んで買い物することができなくなり、この時代には見られない資源不足が発生しました。消費者は、空になった小売スペースの穴を埋めるために、eコマースのプラットフォームへ駆け込みました。 

米国で5四半期連続で流通取引総額が低下した後、eBayは2020年第2四半期に再び台頭し、その流通取引総額は35%増加しました。eBayは、第2四半期に世界中で800万人の新規アクティブ・バイヤーを獲得しました。 同社は、ダークモード機能のリリースや社会的意識の高い取り組みなど、若い消費者を満足させることを目的とした一連のアクションでこの変化に対応しました。 

市場で37%のシェアを占め、eBayの4%のシェアを大きく上回るAmazonは、2020年のeコマース戦争に勝利しました。eBayはAmazonとは異なりますが、2020年の上昇傾向がサイバー犯罪者の注目を集めました。 

新型コロナウィルスがeBay詐欺の多発を招いた 

2020年のPPE(個人防護具)の不足が世界中で詐欺を引き起こしました。フェイスマスクやその他のPPEを宣伝する新型コロナウィルスをテーマにしたメールが、3月に一斉攻撃を開始しました。4月になると、PPE詐欺がeBayで報告されました。同じく4月に、eBayは詐欺的な新型コロナウィルス救済策に関する50万件のリストを削除しました。 

5月になると、eBayユーザーは、商品の紛失や破損、または重要な構成要素が不足している等の理由による、ハッカーからの払い戻しリクエストの増加を報告しています。 eBayのユーザーたちは、メッセージボードを利用して他のユーザーに詐欺について警告しました。偽の払い戻しリクエストの猛攻撃により、多くのユーザーは評価的な打撃を受けただけでなく、その影響は財政面にも及びました。 

eBayフィッシング詐欺 

新型コロナウィルス関連の詐欺が進行するにつれて、Vadeは、フィッシングメールの世界的な増加を確認しました。その数は3月の1,630万件から4月には4,230万件に増加しました。同じ頃、eBayのフィッシングが急増しました。 

2019年の最もなりすましの多かったブランドのリストには入っていなかったeBayは、2020年に5位にランクインしました。第2四半期に、VadeはeBayの固有のフィッシングURLを1,579件検出しました。第3四半期に、固有のURL数は2,424件に増加しました。固有のフィッシングURLは、URLのみを参照し、URLを含むフィッシングメールの数は参照しません。フィッシングメール数は、数百件から数千件に及ぶ可能性があります。 

 ebay-phishing-urls-1

2020年に出現した革新的なeBay詐欺には、中古車、オートバイ、RVなどがありました。新型コロナウィルスによって、米国全土で、(現物を見ずに行った)中古車の購入で多くの買い手が騙されました。この詐欺では、同じ車両の販売広告がeBayとFacebookマーケットプレイスの両方で掲載されました。販売者に連絡した後、被害者はeBayギフトカードで購入を完了するように指示するeBayフィッシングメールを受信しました。第1四半期にVadeSecureによってキャプチャされた以下のeBayフィッシングページの例には、RVの2,000ドルの注文が掲載されています。 

 ebay-checkout

5月になると、1週間で何千件もの同様のリストがeBayに掲載され、不正なリストの多くが、合法的な広告からコピーされたものでした。報道によると、あるトレーラーハウスの詐欺広告はeBayで45,000回表示されたということです。 

時事が2020年を通して標的型攻撃に影響を与えた 

新型コロナウィルスは、市場を動かし、ビジネスに打撃を与えるという最悪の事態を招いた一方で、eBayやその他のブランドには予期せぬ幸運の連続をもたらしました。サイバー犯罪者は状況を注意深く観察して、それを最大限に活用し、多くの有名ブランドとそのユーザーを標的にしました。フィッシング攻撃で最もなりすましの多かったブランド20社の完全リストと、その年を特徴づけるフィッシングトレンドを確認するには、「Phishers’Favorites 2020年を振り返る」をお読みください。

phishers-favorites-cta-banner-jp