サイバーセキュリティソリューションはマージンにどのように貢献するのか

McKinseyの調査によると、マネージドセキュリティサービスの対象市場の合計は、今後数年間で4000~5000億ドル(USD)に達すると予想されています。中小企業(SMB)がサイバー攻撃の標的になることが増えているため、多くの企業がサードパーティプロバイダーの支援を必要としています。このことから、MSPにとって、マネージドセキュリティがもはやオプションのサービスではなく、新規ビジネスを獲得するための必須要件であることが分かります。この機会を活かすために、MSPは自社のスタックに組み込むサイバーセキュリティソリューションに関して戦略的かつ意図的に取り組むことが必要です。

この記事では、サイバーセキュリティソリューションが利益拡大にどのように貢献するか、また投資収益率を最大化する方法についても検討します。

サイバーセキュリティソリューションによってマージンはどのように向上するのか

顧客を満足させながらビジネスを維持する

サイバー攻撃の被害者になれば、誰でも一日を無駄にすることになります。ランサムウェアフィッシング攻撃スピアフィッシング攻撃に苦しむ顧客は、当然のことながらMSPに腹を立てるでしょう。テクノロジーサービスを提供する専門家として、MSPは顧客のMicrosoft 365環境のセキュリティに責任を負っていると見なされることがよくあります。たとえその責任が顧客によって形式化されていなかったり、はっきりと規定されていなかったりする場合であってもです。

攻撃を受けた不幸な顧客は、ビジネスを他の場所に移す可能性が高くなりますが、攻撃が深刻な場合は、ビジネスを完全に失ってしまう可能性もあります。中小企業の場合、サイバー攻撃を修復したり、攻撃者に身代金を支払ったりするコストは壊滅的な金額になる可能性があります。たとえビジネスが存続しても、それは将来の成長を脅かす大きな妨げになります。そして、顧客のビジネスが成長しなければ、MSPのビジネスも成長しません。

New call-to-action

ビジネスの継続性を守る

顧客に説くのと同じサイバーセキュリティの慣行に従えば、貴社のサイバー攻撃対策もさらに強化されます。 

中小企業と同様にMSPもサイバー攻撃の魅力的なターゲットです。中でも、重要なインフラストラクチャやサプライチェーンに焦点を当てているMSPは特にそうです。MSPを攻撃することで、脅威アクターは数十社のさまざまな企業のシステムやデータにアクセスできるようになる可能性があります。顧客と同様に、サイバーセキュリティソリューションを導入することで、自社のシステムを安全に保ち、ビジネスの持続性を守り、信頼できるパートナーとしての評判を維持します。

 顧客に価値を示し、価格を納得させる

中小企業はサイバーセキュリティの必要性を認識しており、サイバーセキュリティに積極的に投資しています。セキュリティインシデントやデータ侵害を経験したことがあったり、身近に被害者がいたりする人は多くいます。ConnectWiseの最近の調査では、中小企業10社中およそ8社がサイバー攻撃の影響を受けていると報告しています。同じ割合の回答者が、サイバーセキュリティ上の懸念に対して行動を起こすことが必要だとも答えています。

サイバーセキュリティソリューションに投資することで、セキュリティを重視する顧客に価値を提供し、対応可能な市場全体を最大限に拡大します。見込み顧客が特にセキュリティを懸念していなくても、その重要性について知識を得られれば、結果としてそのサービスにより高い料金を支払うことを厭わなくなるかもしれません。

 【関連コンテンツ】:現在の顧客を分析してMSPの売上を増やす方法

 
 

 サイバーセキュリティスタックを活かして利益率を高めるための実用的な方法

コミュニケーションと教育

サイバーセキュリティを埋没費用と見なすMSPもあります。この視点はMSPに限ったものではありません。中小企業もこの視点から捉えている場合があります。顧客が保護を受けている場合、彼らはマネージドセキュリティが必要かどうか疑問に思うかもしれません。セキュリティインシデントが発生したらセキュリティを保てないのに、なぜサービスにお金を払っているのかと、顧客は疑問に思うかもしれません。 

顧客や見込み顧客にサイバーセキュリティの重要性を定期的に教育することで、この幻想を払拭します。見込み客に対しては、これはサイバーセキュリティの状況と中小企業が直面している脅威について話し合うために、営業トークやマーケティング資料をカスタマイズすることを意味します。顧客に対しては、定期的なミーティング(例:四半期に1回)を開いて、サイバーセキュリティスタックのパフォーマンスや 計画されているアップデート、新たに出現する脅威について詳しく説明することなどが該当します。 

Vade for M365を利用すれば、サービスの価値を顧客に簡単に示すことができます。たとえば、比較レポートには、顧客を狙った脅威のうち、Vadeは検出したがMicrosoftが見逃した脅威の数と種類が詳しく記載されています。これを使って、403TechProg-ITなどのMSPが戦略として用いている、サービスのROIを定量化できる言葉で示すことができるようになります。

サイバーセキュリティソリューション--比較レポート

比較レポート

 

New call-to-action

サイバーセキュリティソリューションを定期的に見直す

サイバーセキュリティは一度限りの投資やイベントではありません。脅威アクターが存在し革新し続ける限り、サイバーセキュリティソリューションとベストプラクティスは変化します。遅れを取らないためには、スタックを継続的に見直して再評価することが必要です。

ベンダーの怠慢により、ソリューションが時代遅れになったり、脆弱になったりすることがあります。パートナーを変えるだけでなく、研究開発に積極的に投資してくれるパートナーを見つけて提携することも重要です。たとえば、Vadeが95%の定着率を維持しているのは、主に新たな脅威への対処に継続的に注力しているためです。

使いやすさを優先する

スタックに組み込むサイバーセキュリティソリューションを評価する際は、複数の要素を考慮しましょう。保護の底深さと幅広さだけでなく、ソリューションの使いやすさと拡張性も分析しなければなりません。ツールに費やす時間が長くなるほど、マージンは低くなります。したがって、新しいソリューションを購入する際には、使いやすさが重要な要素となります。

【関連コンテンツ】:メールセキュリティソリューションを選ぶ前に確認すべき5つのポイント

 
 

標準化とバンドル

サービスを標準化してバンドルしているMSPは、そうでないMSPよりも速い速度で成長しています。その理由は、そうすることで、販売やマーケティング、実装、フルフィルメントやサポートなど、ビジネスのあらゆる側面における効率と品質が高まるからです。

サイバーセキュリティソリューションの標準化とバンドルは簡単です。各顧客にカスタムのソリューションやサービスを提供するのではなく、わずかな違いはあるものの同じパッケージをすべての顧客に提供します。この種類の階層型モデルでは、集中するポイントを絞れるため、核となる能力を伸ばすことができます。また、顧客に柔軟性を与えることと、MSPが効果を発揮するために必要な最小限のサービスを確実に購入させることとの間でバランスを取れるようにもなります。サービスをバンドルして価格設定する方法については、ベストプラクティスと例が組み込まれているMSP Quick Start Guideをダウンロードしてください。

【関連コンテンツ】:MSP Quick Start Guide promo blog

サイバーセキュリティソリューションを評価する方法を知る

サイバーセキュリティソリューションは、MSPとしての利益に最大の影響を与えます。また、貴社のビジネスとしての拡張性、有効性、信頼性も決定します。これは、ソリューションを評価し、顧客に適切なセットを組み立てる方法を学ぶことがいかに重要であるかを強調しています。

MSPを始めたり拡張したりするためのフレームワークを確認するには、新しいMSP Quick Start Guideをダウンロードしてください。新規のMSPの設立者およびすでに確立されたMSPの設立者向けに作られており、ビジネスの最も重要な側面に焦点を当てたベストプラクティス、ツール、リソースが組み込まれています。また、スタックに組み込むべきサイバーセキュリティソリューションとその評価方法についても学べます。

New call-to-action